南京錠:物の気持ち

写真と一緒に

南京錠

建物を守る南京錠
ぼくは南京錠。
この建物を守る、頼れる番人だ。
奥にいる仲間と一緒に、二重の守りで誰の侵入も許さない。

雨の日も、風の日も、真夏の焼けるような暑さの中でも、
ここでじっと耐え、静かに見守っている。
誰にも気づかれないけれど、それがぼくの仕事。
「誰も通さない」 ただそれだけを、日々全うしている。

時々、管理人さんがやってくる。
カチャリ、と鍵を開ける音がすると、ちょっとドキドキするんだ。
中は大丈夫か? ちゃんと守り切れたか?
もし何か異変があったら、管理人さんは悲しい顔をするから……
ぼくは絶対にそんな顔を見たくない。

そして、中が無事なことを確認すると、ホッとする。
「よし、今日もちゃんと役目を果たせたな」と。

さぁ、また鍵が閉められた。
ぼくは今日もここで、静かに、そして確実に、
この場所を守り続ける。