隣のタイル:物の気持ち

写真と一緒に

隣のタイル

無くなってしまった公園のタイル
ぼくたちは、ずっと並んでいた。
公園の道の一部として、何年も何年も、ここにいた。
雨の日も、風の日も、暑い日も寒い日も、ずっと隣同士だった。

だけど、ある日、気がついたら君はいなかった。
ぼくのすぐ横、そこにいるはずだった君が、ぽっかりといなくなってしまったんだ。

毎朝、目を覚ますたびに思う。
「今日こそ、帰ってきたかな?」と見る。
だけど、やっぱり、そこには君はいない。
代わりに、落ち葉たちがくつろいでいる。
風が吹けば、落ち葉は飛んでいく。
でも、君は戻ってこない。

通り過ぎる人たちも、たまにぼくの隣をじっと見つめる。
「なんでここだけ空いてるんだろう?」
「どこに行ってしまったんだろう?」
そう思っているのかもしれない。

周りのみんなも、ぼくも、君が帰ってくるのを待ってるよ。
もしどこかで無事なら、いつかまた、ここに戻ってきてくれたらいいな。
ぼくたちは、また肩を並べて、いつもの公園の道を作りたいんだ。

——君は、今どこにいるの?