東京駅

2012年、ぼくは新しく生まれ変わった。
昔の姿を取り戻し、赤レンガの美しい駅舎として、多くの人が写真を撮りに訪れた。
その頃は毎日のように、カメラやスマホを構える人たちが駅前に並び、
「きれいだね!」とか「歴史を感じるね!」なんて声があちこちから聞こえていた。
でも、数年経つと、その熱も少しずつ落ち着いてきた。
「東京駅、いいよね」くらいの扱いになって、
記念撮影する人も減り、観光の定番スポットの一つになっただけだった。
「もう、ぼくに興味はなくなったのかな……?」
そんな風に思っていた2023年、突如、状況が一変した。
朝から晩まで、ものすごい人がぼくを撮影しにやってくるようになったんだ。
しかも、決まってみんな同じ角度から!
「えっ?なんで?」
最初は不思議だったけど、すぐに理由がわかった。
2024年から発行される新しい一万円札。
その裏側に描かれた建物、それは——
ぼく、東京駅!!
しかも、まさにこの角度!
長年この姿で立っていたけど、まさかお札になる日が来るなんて夢にも思わなかった。
それからというもの、ぼくは再びスポットライトを浴びる存在に。
お札を手に持って、「ほら、同じ角度!」と写真を撮る人が後を絶たない。
外国からの観光客も、「これはニュー・ジャパニーズ・カレンシー!」と興奮しながらシャッターを切っている。
……うん、やっぱり注目されるのって、悪くないね。
これからも、たくさんの人に見てもらえるのなら、ぼくはまだまだ輝き続けられる。
さぁ、今日もまた、新しい一万円札を持った人が写真を撮りにくるのかな?
ぼくはここで、いつでも待ってるよ。
昔の姿を取り戻し、赤レンガの美しい駅舎として、多くの人が写真を撮りに訪れた。
その頃は毎日のように、カメラやスマホを構える人たちが駅前に並び、
「きれいだね!」とか「歴史を感じるね!」なんて声があちこちから聞こえていた。
でも、数年経つと、その熱も少しずつ落ち着いてきた。
「東京駅、いいよね」くらいの扱いになって、
記念撮影する人も減り、観光の定番スポットの一つになっただけだった。
「もう、ぼくに興味はなくなったのかな……?」
そんな風に思っていた2023年、突如、状況が一変した。
朝から晩まで、ものすごい人がぼくを撮影しにやってくるようになったんだ。
しかも、決まってみんな同じ角度から!
「えっ?なんで?」
最初は不思議だったけど、すぐに理由がわかった。
2024年から発行される新しい一万円札。
その裏側に描かれた建物、それは——
ぼく、東京駅!!
しかも、まさにこの角度!
長年この姿で立っていたけど、まさかお札になる日が来るなんて夢にも思わなかった。
それからというもの、ぼくは再びスポットライトを浴びる存在に。
お札を手に持って、「ほら、同じ角度!」と写真を撮る人が後を絶たない。
外国からの観光客も、「これはニュー・ジャパニーズ・カレンシー!」と興奮しながらシャッターを切っている。
……うん、やっぱり注目されるのって、悪くないね。
これからも、たくさんの人に見てもらえるのなら、ぼくはまだまだ輝き続けられる。
さぁ、今日もまた、新しい一万円札を持った人が写真を撮りにくるのかな?
ぼくはここで、いつでも待ってるよ。
